thomsonbrandy.jp 2.0.7(2008-10-18) トムソンブランディ事業部

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審判長の地ビール研究

地ビール研究家でもある西本幸男先生(特許庁の審判長)の“地ビール研究”をご紹介いたします。

■西本 幸男 先生
特許庁 審判部 34部門 審判長
国産地ビール愛飲会 主宰
日本地ビール協会会員 ビアテイスター
GOODBEERCLUB会員(2007年度 監査)
 

第2回 ビールのスタイル(タイプ)

皆さんが普段飲んでいるビールはどんなタイプのビール?「ラガー」あるいは、「ピルスナー」と答えた方は、多少ビールについて見識のある方といえるでしょう。では、次にほかにどんなタイプのビールを飲んだことがありますか?の問いに返ってくる答えは、「黒ビール」といったところが普通かなと思われる。一口にビールのスタイルといっても、そのわけ方は多彩である。

(1)色による分け方
ビールは、それぞれのスタイルによって、決められた色の範囲があるが、それとは別に見た目の大雑把な分け方で、淡色系、濃色系及び中間色系とがある。

(2)製造方法(発酵)による分け方
ビールの醸造法には、主として、上面発酵と下面発酵がある。上面発酵は、もっとも古い歴史を持つもので、エールがこの代表で、常温(20度〜25度)で発酵し、主発酵の間に酵母が液の表面に浮上するため上面発酵と呼ばれる。これに対して、下面発酵は、ラガービールとも呼ばれ、低温(8度〜12度)で主発酵し、主発酵が終わると酵母は底面に沈むため下面発酵という。

(3)製造方法別の詳細な分け方(代表的なもの)
写真2
ビールの写真は、左から、ピルスナー、ペールエール、スタウト。

〔主な上面発酵ビール〕
【ペールエール】
琥珀色、アルコール度4〜5%、イングランド・バートンが発祥のビール。ペール(淡い)とは、スタウトの黒に比べて「淡い」の意味。ポップ風味が強く、麦芽風味が弱い。大航海時代、インドへの航海に耐えるため高濃度で大量のポップ(防腐剤の役目を果たす)を使ったIPA(インディア・ペールエール)もこの仲間。私が今はまっているのがこのタイプ、行きつけの店で、いろいろなブルワーのペールエール、アンバーエール、IPAを味わう。至極の時間だ。その中でもお気に入りは、沼津のベアードが造る帝国IPA。

【スタウト】
ポーターをより黒く、ホップが強く、香ばしい芳香に改良したビール。ギネスが有名。

【ヴァイツェン】
小麦を50%以上使用、フルーティーな香り、バナナ臭とも、クローブ臭とも言われる芳香がある、ビールが苦手な人でも比較的取っ付き易い、若干の酸味があり、独特の芳香と合わせて好き嫌いがはっきり出るビール。ペールエールにはまる前によく飲んでいたタイプ。銀河高原、火の谷、飛騨高山、御殿場高原、富士櫻高原等々。原料は同じようなもので、コリアンダーやオレンジピールを加えると、ベルギーのヒューガルデンに代表される白ビールになる。

【ランビック】
野生酵母を使用した自然発酵ビール。酸味が非常に強い。ベルギーに多く見られる。サクランボ、木イチゴ、ブルーベリーなどのフルーツを入れた、フルーツランビックもこの仲間。一番苦手なタイプ。

〔主な下面発酵ビール〕
【ラガー】
ミュンヘンが発祥のビール、下面発酵の総称でもあるが、一般的にはアメリカン・ラガーを指す場合がある。

【ピルスナー】
明るい琥珀色、アルコール度4〜5%、ミュンヘン生まれのラガーをチェコのピルゼン地方で改良したもの、世界で1番飲まれているタイプ。

【デュンケル】
濃褐色〜黒褐色、アルコール度4〜5%、麦芽風味が強い。ドイツでの下面発酵の黒ビールの呼称。
などなど、ほんの一部を取り上げたが、日本地ビール協会が主催するコンテストで使う分類は、12のカテゴリーの中に100近い小区分がある。詳しくは、http://www.beertaster.org/を参照のこと。

最近目に付くのが、リアルエール。ビールのタイプというよりは、古き良き時代?のイギリスのパブで提供していた方法。
パブでカスクコンディションし、ハンドポンプで汲み出す方法。
私が所属するGood Beer Clubが、毎年2月に開催する「リアルエールフェスティバル」では、20数種のリアルエールが味わえる。今年も700人ほどが参加してビールに酔いしれた。
ほかにも分け方はいろいろあるが、紙面の関係もあるので、これくらいにしよう。
文章を読んだだけでは味は分からないと思う。一番は飲んで試してみることだ。
大勢集まれば、いろいろなタイプビールを買ってきて、少しずつ飲んで試すのが一番手っ取り早いのだが、少人数だとそんなに何本も飲みきれない。
月に1回テーマやタイプを決めてビールの飲む会を催すなんておしゃれだと思う、1年経てば相当な種類を味わうことができる。それよりもお薦めは、ビールのイベントに参加すること。
直近では、6月2日の「地ビールを楽しむ会」(全国地ビール醸造者協議会主催)や、6月16、17日の「ジャパンビアフェスティバル2007in東京」(日本地ビール協会主催)がある。イベントの詳細は、次号または、主催者HPで。

次回は、Myビール造りと、ビールのイベント情報等お知らせして、とりあえず地ビール談義を幕とする。
写真1
行きつけのお店「POPEYE」、壁面に25本のタップ、店全体では40本を超すタップが、全部樽につながっている。