thomsonbrandy.jp 2.0.7(2008-10-18) トムソンブランディ事業部

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商標実務 - BRANDY虎の巻 -

知財専門家としてバンコクに長期滞在し、タイ国内やベトナムの各地で知財セミナーを開催したユニークな経歴を持つ。東南アジア暮らしもすっかり板についた2005年春に帰国、都内に商標専門事務所を開設。

「常夏の国もよかったけれど、やっぱり日本はいいねえ。
過ごしやすいし、モノもサービスも豊富だし。」と日本のよさを満喫中。

豊崎国際特許商標事務所
豊崎玲子 http://toyosakiassociates.web.infoseek.co.jp/Home_Japan.htm

第3回 商標調査で万全を期す(その1)

 スクリーニング調査を終えたら次にやるべきことはもちろん商標調査。
 「同一先行商標はスクリーニングで見つからなかったからまぁいいや」そういう考え方もある。昔とちがって出願から登録までそれほど時間もかからないし…。

 審査期間は短縮されたが、企業の商品開発期間だって短縮されている。役所の動きより、企業の動きの方がどうやっても早い。商品化期間が審査期間より短いならば、商標変更を余儀なくされるリスクを少しでも軽減すべくフル調査はやっぱり必須。

 フル調査といえば、トムソン・ブランディのお家芸。IPDLその他のデータベースと違って、自分で「出したい」「確認したい」先行商標の存在を自由に確かめることができるところが「プロ仕様」。
 「プロ」として最低限知っておくべき法則は二つ。「2音一致原則」と「マイナス2音の原則」。キーワードは「2音」と覚えておけば良い。

【極意1.】調査する商標をじっと見つめる、声に出して読んでみる。「オヤジのだじゃれ」を考えてみる。

「ばかいってんじゃないよ」とまぁ思わずに試してみよう。
ブランディーのデータベースは、規則に従って、自動的に似たような商標を拾ってくるだけではなくて、「自分で探し出したいものを探してこれる」ところがよい所。逆に言うと、「どんな称呼を出したいか」、自分で能動的に考えないとよい調査ができない。
「えっ。そんなん、想像できないよ」と簡単にあきらめるなかれ。
人の想像力なんてたかが知れてる。造語商標といえどもその大半は、既成を組み合わせたり、語尾変格させたモノ。じっと見つめているうち、声に出してよんでみるうちに、自然と派生しそうな言葉が思いつくモノだ。「自然と」なんて思いつかないという方は、「オヤジ」世代の「オヤジ」になったつもりで「だじゃれ」を考えてみれば良い。
例1)商標「ポステム」。じっと見ていると「システム」「トステム」が思い浮かぶ。
例2)商標「リセッタ」。「リセット」「アセッタ」「クルッタ」とか…。
例3)商標「アディダス」。声に出して唱えてみよう。「アディダス、アディダス、アディダス…アディオス
…むむっ。「アディオス」が出てくる」
例4)商標「チャオチャオ」。「ちゃうちゃう」「チャボチャボ」」「ちゃきちゃき」「ワオワオ」

なんて具合。

「だじゃれ」の域なので、この時点でくだらなかったり、称呼上遠すぎたりしても構わない。
思いついた言葉のほとんどがホントにただ下らない言葉であったとしても、中には掘り出し物があるからだ。

【極意2.】思いついた「だじゃれ」(もとい派生語)に掘り出し物がないか見当をつける

どれが一体「掘り出し物」?
思いついた言葉郡の中から、普通名称として使われる言葉があったら、それは「掘り出し物」。調査対象商品と関係深い言葉だったら、「トリュフ」か「松茸」か、というくらいの貴重品。

上記例の場合だったら、例1)の「システム」あたりが「一級松茸」に値する。

【極意3.】「掘り出し物」を頭の片隅においてデータベースを叩いてみる。

「掘り出し物」はあくまでも頭の片隅に置くべきものであって、中央に置くべきものが調査対象商標であることは言うまでもない。普段どおりに調査しよう。絞込みに悩んだときにいよいよ「掘り出し物」の出番が来る。

【極意4.】邪魔な「掘り出し物」を検索リストから排除する

調査対象商標と一音違いの「掘り出し物」が識別性のない普通名称の場合、一音相違リストから排除して、見やすいリストを作る。識別性のない普通名称となる「掘り出し物」?上記例でいうなら、「ポステム」に対する「システム」だ。

 こんなとき「掘り出し物」の存在が類否判断に大きな影響を与えることはまずない。それどころか、一音相違商標を検索すると山ほどの「掘り出し物」付き商標がヒットしてしまい、真に見つけたい先行類似商標探しの障害になりかねない。ならば、この「掘り出し物(ここでは「システム」なる語)を一音相違リストから追放しよう。
1
手順1.通常どおり、「Perfection」で「ポステム」を出力
2
手順2.母集団に戻る
3
手順3.Variationを「1/9/シ, 2/9,3/9,4/9」とする。OptionはN,(場合によってはS,E,などを付加)
4
手順4.One-diffを出力。出力されるリストは「ポステム」「システム」と一音相違する商標。リストが「システム」の山で埋め尽くされることはない。
例2)の商標「リセッタ」で仮に「リセット」をリセットから排除したいと思うなら、上記手順で、母集団まで戻って排除すればよい。

母集団に戻って、「掘り出し物」言葉をPerfectionに該当するよう、Variationを作成し、One-Diff等から削除する、というのがポイントだ。

なお、従来「32F01,32F02,32F03,32F04」のコードから、新しい類似群コード「32F15」に変更された「健康食品」関係について、IPDLとトムソンブランディーのデータでは母集団が違うらしい。ブランディーデータのほうが広め。確実性を目指すなら、ブランディーデータを使ってみるべし。 /files/information/brandynews_0703_32F15.pdf

【極意5.】「掘り出し物」が出てくるように、検索条件を作る

「極意4」とは逆に、「掘り出し物」が気になるから、存在の有無を確認したい、という場合、積極的に拾ってくる方法だ。

 例3)商標「アディダス」で、思いついてしまった「アディオス」がどうしても気になる、といった場合が、これにあたる。
 「アディダス」と「アディオス」では、1音相違関係なので、特段気にしなくとも、One-Diffでヒットする。さらに、相違音「ダ」と「オ」の間に子音、母音の共通点なし。それでも類似と判断される可能性は否定できない(実際、類似と判断されたこともある。昭和52-11791号)。一度気になり始めたら、きちんと存在を確認するのは調査の王道。「アディオス」がどうか、積極的に探ってみるべし。

  手順1.母集団に戻る
5
手順2.Perfectionで1/9,2/9,3/9/オ,4/9,OperationでN
6
 手順3.リストで、3.Pefection出力
 積極的に出したい称呼の存在を確認できるところが、ブランディーのデータベースのよいところ。
 Perfectionで追加音を加えることで、特定の称呼を排除したり、積極的に出力させたりできるのは意外と便利で簡単な手法。事前にちょっと考えるだけで、調査リストの中身が変わってくるのだ。